交通事故の示談に応じないとどうなる? 知っておくべき対策と打開策

2026年02月09日
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交通事故の示談に応じないとどうなる? 知っておくべき対策と打開策

交通事故の被害に遭った場合は、基本的に加害者が加入している任意保険会社の担当者と示談交渉を行います。

しかし、保険会社から提示される示談金は、想定よりも低い金額であるケースも多いです。金額や内容に納得できず、「示談に応じないとどうなるのか」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本コラムでは、交通事故の示談に応じないときの影響や適正な補償を受ける方法などについて、ベリーベスト法律事務所 大分オフィスの弁護士が解説します。


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1、交通事故示談「応じないと損をする」は本当か

交通事故の示談交渉では、「保険会社から提示された内容に応じなければ損をする」とは限りません。「示談に応じない」という選択が、適正な補償を受けることにつながる可能性もあります。

以下では、交通事故における基本的な示談の流れや目的、応じない選択の正当性について解説していきます。

  1. (1)交通事故示談の基本的な流れと目的

    交通事故の示談とは、事故の当事者双方が損害賠償の内容と金額について話し合い、合意による解決を目指す手続きです

    基本的に事故によるケガの治療が終わった後、または後遺障害の認定が確定した後に示談交渉がはじまります。示談交渉では、まず加害者側の任意保険会社から損害賠償の金額を提示されるのが一般的です。

    加害者側と被害者側が示談内容に合意すると示談が成立し、合意した内容のとおり示談金(損害賠償金)が支払われます。

    示談の目的は、訴訟などの法的手続きに頼らず、話し合いによって紛争を解決することです。早期解決を見込める点がメリットですが、内容に一度合意すると原則としてやり直しできないため注意しましょう

  2. (2)「示談に応じない」という選択肢がある理由

    示談においては、必ずしも相手方の提示条件に応じる義務はありません。示談は、当事者双方の合意によって成立するものであるため、示談条件に納得できなければ「応じない」という選択も可能です。

    損害賠償金は、過失割合や被害の程度、後遺障害の有無などさまざまな要素によって大きく変動します。適正金額を算出するためには法的な知識も必要となるため、保険会社の提示額が適正である保証はありません。

    また、交通事故の被害者にとっては金額だけでなく、事故後の対応や謝罪の有無なども含めた「納得感」も重要です。したがって、「納得できないから応じない」という判断は被害者の当然の権利であり、悪いことではありません。

  3. (3)示談に応じない方がいいケース

    以下のようなケースでは、すぐに示談に応じるのは避けるべきです。

    • ケガの治療や後遺障害等級認定が終了していない段階で示談を迫られている
    • 示談金の内訳の中に請求できるはずの内容が含まれていない
    • 後遺障害等級認定の結果に納得できない
    • 提示された金額が適正かどうか分からない、または納得できない


    こうした状況では示談をいったん保留し、弁護士に相談することをおすすめします。示談は一度成立するとやり直しが困難であるため、納得できるまで検討を重ねることが重要です。

2、保険会社との示談交渉がうまくいかないときに直面しうるリスク

示談に応じないことは悪ではなく、応じないほうがいいケースも存在します。しかし、保険会社との示談交渉がうまくいかず長期化すると、様々なリスクが生じるため注意が必要です。

  1. (1)示談が長期化すると保険会社との交渉で精神的負担が大きくなる

    保険会社との示談交渉が長期化すると、その間ずっと不安やストレスを抱えることになり、被害者にとって大きな精神的負担となります。

    特に担当者の対応が悪かったり、納得できない理由で提案を押しつけてきたりする場合、交渉が思うように進まず、余計に疲弊してしまうことでしょう。このような精神的負担は、被害者の心身の回復に悪影響を及ぼすおそれがあります。

    そのようなときには、弁護士に相談して交渉を任せることも有効な方法です。弁護士が代理人として対応することで、保険会社とのやり取りによる負担を軽減し、適切な解決へと進みやすくなります。交渉が長引いていると感じたときは、一度弁護士に相談してみることをおすすめします

  2. (2)賠償金がいつまでも支払われず経済的負担を感じる

    原則として、示談が成立するまでは最終的な支払い額が確定しないため、損害賠償金を受け取れません。

    場合によっては、交渉中の治療費や通院交通費などを被害者自身で立て替えなければならないケースもあります。交渉が長引けば長引くほど家計への影響が大きくなり、生活に支障をきたす可能性もあります。

    早期解決の見込みが立たない場合には、弁護士に相談して適切な対策を講じることをおすすめします

  3. (3)時効になる可能性がある

    交通事故の損害賠償請求権には消滅時効があり、請求できる期間に限りがあります。時効が成立する期間は、基本的に人身事故であれば「事故の翌日から5年」、物損事故であれば「事故の翌日から3年」です。

    交渉が進まないまま時効が近づくと、損害賠償金が受け取れなくなるリスクが生じます。

    時効の成立を防ぐためには、期間内に交渉を進めることが大切です。示談が難航している場合は、弁護士への相談を検討しましょう

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3、示談に応じず損害賠償金(慰謝料)を増額する方法

慰謝料および損害賠償金を増額するためには、提示された条件に応じず、増額交渉を行う必要があります。

以下では、証拠収集のポイントや個人で交渉する際の注意点、弁護士に依頼する有効性について具体的に確認していきましょう。

  1. (1)具体的な証拠の重要性と集め方

    交通事故の示談交渉で重要なのは、「根拠のある主張」です。そのためには、事故後の証拠を的確に収集し、加害者側に示す必要があります。

    具体的には、以下のような証拠をできるだけ集めておきましょう。

    • 事故現場や事故車両の写真
    • 事故状況について記録したメモ
    • 医師の診断書や通院履歴
    • 治療明細書
    • 通院交通費の領収書
    • 休業損害証明書
    など


    事故状況や損害を裏付ける証拠をそろえることで、被害の正当性を証明しやすくなり、損害賠償金の増額につながる可能性があります

  2. (2)個人で交渉するときの注意点

    個人で交渉する場合は、冷静かつ論理的に説明できるように準備することが重要となります。感情的になったり、過度な要求をしたりすると、交渉が決裂するリスクが高くなるためです。

    交渉記録を残す、話し合いの要点を整理するなど、客観性を保つ工夫も必要です。また、納得できないときは「この条件では示談できない」と明確に意思を伝えましょう。

    ただし、最終的な解決に至るまでには根気と戦略が必要であることを意識して臨む必要があります。保険会社を相手に個人で増額を要求するのは困難なケースも多いため、状況に応じて弁護士への相談も検討しましょう

  3. (3)弁護士に対応を依頼する

    適正な補償を得たい場合は、交渉の段階から弁護士に対応を依頼するのが得策です。

    慰謝料の算出方法には、自賠責基準・任意保険基準・裁判所基準(弁護士基準)の3種類があります。その中でもっとも金額が低い傾向にあるのは自賠責基準、高い傾向にあるのは裁判所基準(弁護士基準)です。

    保険会社が提示する金額は任意保険基準で算定されており、自賠責基準と同等もしくはやや高い程度とされています。弁護士に依頼すると過去の判例をもとにした裁判所基準(弁護士基準)で慰謝料を算定できるため、増額できる可能性が高まります

    また、過失割合に争いがある場合や後遺障害がある場合も、弁護士が介入したほうが損害賠償金の増額を見込めるでしょう

4、交通事故被害者は迷わず弁護士に相談を!

交通事故の示談交渉では、被害者が不利な立場に立たされてしまう可能性があります。交渉を有利に進めるためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談・依頼することをおすすめします

以下では、弁護士に依頼するメリット・デメリットと、弁護士費用特約による弁護士費用の負担軽減について解説していきます。

  1. (1)弁護士に依頼するメリット

    交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、以下のようなメリットがあります。

    • 被害者の手間や精神的負担を軽減できる
    • 法的な観点から適正な損害賠償金を算定し請求できる
    • 後遺障害等級認定申請のサポートを受けられる
    • 裁判に発展した場合も継続して対応を任せられる


    弁護士に依頼すると、保険会社との交渉をすべて任せられます。保険会社が提示する示談内容の適正性を法的に判断できるため、不利な条件で合意してしまうリスクも軽減できるでしょう。

    万が一、交渉が決裂し裁判に発展した場合も、弁護士が手続きや対応をサポートできるため、被害者自身の負担を大きく減らすことができます。

  2. (2)弁護士に依頼するデメリット

    弁護士に依頼する際には、弁護士費用がかかるデメリットもあります。弁護士費用には着手金・報酬金・実費・日当などがあり、金額は案件の内容や依頼する法律事務所によって異なります。

    比較的軽微な交通事故では、損害賠償金の増額分よりも弁護士費用のほうが高くなる可能性もあるため注意が必要です。

    依頼する前には、弁護士費用を上回る損害賠償金の増額が見込めるかどうかを確認するようにしましょう

  3. (3)弁護士費用特約があれば弁護士費用の負担を軽減できる

    弁護士費用特約があれば、弁護士費用の負担を大幅に軽減できます

    弁護士費用特約とは、保険に付帯されるオプションのひとつで、弁護士への相談費用や依頼費用を一定額まで補償するものです。弁護士費用特約を利用することで、費用負担なしで弁護士のサポートを利用できる可能性があります。

    被害者本人の自動車保険だけでなく、家族の保険や火災保険から弁護士費用特約を利用できる場合もあります。補償範囲や上限額は契約内容によって異なるため、加入している保険の契約内容を確認しましょう。

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5、まとめ

交通事故に遭った後、「示談にすぐ応じるべきかどうか」の判断は、補償内容に直結する重要な選択です。安易に示談に応じることは避け、提示された内容や金額はよく確認するようにしましょう。

場合によっては示談に応じない選択も必要ですが、示談交渉が進まないまま長期化するとさまざまなリスクが生じてしまいます。そのため、交渉が難航している場合や示談内容に納得できない場合は、早い段階で弁護士へ相談することが望ましいです。

適切な補償を受けるためにも、示談でお悩みの方はぜひ一度ベリーベスト法律事務所 大分オフィスの弁護士にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています