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遺産相続の手続きをしないとどうなる? 放置するリスクはある?

2024年05月27日
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遺産相続の手続きをしないとどうなる? 放置するリスクはある?

大分県の人口動態統計によると、年間の死亡率は毎年増加傾向にあり、2022年の死亡率(人口千対)は14.9%で前年の13.7%を上回りました。

被相続人が亡くなると、遺産相続の手続きが開始されますが、期間の制限がある手続きもあり、たとえば相続放棄などは相続開始から3か月以内に申し立てをしなければなりません。

今回は、遺産相続の手続きを放置したリスクや手続きの期間について、ベリーベスト法律事務所 大分オフィスの弁護士が解説します。

1、遺産相続の手続きをしないとどうなる? リスクはある?

家族が亡くなると、お葬式の準備や各種公的な手続き以外にも、遺産相続の手続きもしなければなりません。忙しいからと、遺産相続の手続きをしなかった場合、思わぬ不利益を受けることがあります

遺産相続の手続きはいつまでにすべきか、しない場合にどのようなリスクがあるのか、解説します。

  1. (1)遺産相続の手続きは早めに行った方が良い

    遺産相続の手続きをしなかったとしても、すぐになにかしらのペナルティーがあるわけではありません。

    しかし、たとえば相続税は、相続開始から10か月以内に申告と納付が義務付けられています。この10か月を過ぎてしまうと、延滞税や不申告加算税などが発生し、本来より多くの税金を払わなければならないことになります

    また、被相続人に借金があった場合には、借金を相続しないようにするために、相続放棄の手続きが必要です。この相続放棄の手続きは、原則相続があったことを知った日から3か月以内に行う必要があります

    このようにすぐにペナルティーや不利益があるわけではありませんが、状況によっては延滞税が発生する、相続放棄ができず借金を抱えるといったリスクがあるため、手続としては早めに行った方が良いです。

  2. (2)放置すると財産を失う可能性がある│不動産・預金・株

    遺産の相続人にもかかわらず、手続きをせず放置し続けると財産を失う可能性があります。失う財産として主に不動産、預金、株式の3種類があります。

    ・不動産の場合
    土地やマンション・持ち家などの不動産を相続した場合、法務局での相続登記が必要になります。相続登記をしないままだと、誰が権利者か不明になり、権利関係が複雑になる可能性があります。また、第三者が登記してしまった場合、不動産の所有権を主張できなくなるおそれもあります。

    なお相続登記は、2024年4月から義務化されます。この義務に反し、いつまでも登記せず放置すると、10万円以下の過料が発生します。遺産分割をし、誰が所有者になるか確定したら、すみやかに相続登記するようにしましょう

    ・預金の場合
    預金を相続した場合、金融機関で名義変更をするか、解約して払い戻しを受ける必要があります。これらの手続きをせずに10年以上放置すると、休眠預金等活用法によって、休眠口座として扱われるおそれがあります。休眠口座になると、口座内の預金が預金保険機構という団体に振り替えられ、公益活動などに利用される可能性があります。また、休眠口座にならなかったとしても、5年以上の長期間放置すると、民法上の時効が成立し、払い戻しを受けられない可能性があります

    ・株式の場合
    株式を相続した場合、株式の名義変更や相続人の証券口座への株式移行が必要です。株式の名義変更など手続きをしなければ、株主総会招集通知などの手紙が届かず、配当金の受け取りをすることができません。加えて、5年以上放置すると、株主所在不明という扱いになり、株式が売却されたり、会社に買い取られたりする可能性もあります。株式は、相続財産の中でも見落としやすい財産のため、特に注意が必要です。
  3. (3)法律上の権利を利用できなくなる可能性がある

    相続人には、民法上、「遺留分侵害額請求権」「相続回復請求権」という2つの大きな権利が存在します。相続開始からいつまでも行動をしないと、権利の期限を過ぎ、得られるはずの財産を受け取れなくなってしまう可能性があります

    ・遺留分侵害額請求とは
    遺留分侵害額請求とは、遺言や生前贈与によって特定の者だけが財産を得て不平等な相続にならないように、法定相続人が最低限度の相続分を請求できる制度です。

    たとえば、「長男にすべての財産を相続する」という遺言があった場合でも、遺留分侵害額請求として、配偶者や他の子らが法定の遺留分を金銭で請求することができます。もっとも、この遺留分侵害額請求には、相続が開始されたこと及び遺留分侵害があったことを知ってから1年以内にしなければなりません。(いずれかを知らなかった場合であっても、相続開始の時から10年以内にする必要があります。)そのため、遺留分侵害について思い当たることがある場合には弁護士に少しでも早く相談することをおすすめします。

    ・相続回復請求権とは
    相続回復請求権とは、他の相続人や第三者によって相続権が侵害された場合に、その侵害した者から遺産を取り戻すための権利です。この相続回復請求権も侵害されたと知ってから5年を超えて利用しないと、時効によって使えなくなってしまう可能性があります

    また、共同相続人が相続分を譲渡した場合には、相続分を譲り受けた人から取り戻す相続分の取戻権というものがあります。相続分の取戻権は、1か月以内に行使する必要があります。

2、期限がある遺産相続手続きの種類

ほとんどの遺産相続の手続きに期限があります。期間内に手続きを行わなければ、借金などの負債の相続や財産を失ってしまう可能性があります。

期限がある遺産相続手続きの種類

相続手続き 手続きの期限
相続放棄、限定承認 相続開始を知った日から3か月以内
被相続人の準確定申告 被相続人が亡くなってから4か月以内
相続税の申告、納税 相続開始を知った日から10か月以内
遺留分侵害額請求 相続開始と遺留分侵害を知った日から1年以内
葬儀代、埋葬料の受給手続き 被相続人が亡くなってから2年以内
死亡保険金の受け取り 支払事由が発生してから3年以内
相続登記 相続開始を知った日から3年以内

以下、ひとつずつ解説していきます。

  1. (1)相続放棄・限定承認│3か月以内

    相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべての権利義務を放棄する手続きです。他方、限定承認とは、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた財産を相続する手続きです。

    これらの手続きは、相続開始を知った日から3か月以内に行う必要があります。手続きは、家庭裁判所に申請するための申述書や被相続人の住民票除票、財産調査などをする必要があり、即日認められるものではありません。加えて、限定承認の場合には、相続人全員の同意が必要になります。そのため、相続放棄や限定承認を決めたら、すぐに手続きの準備を進める必要があります

  2. (2)被相続人の準確定申告│4か月以内

    被相続人が死亡した年に事業所得があった場合などには、相続人が確定申告をしなければなりません。この準確定申告は死亡から4か月以内にしなければならず、申告期間が過ぎると税金の延滞税が発生するなどのペナルティーがあります

  3. (3)相続税の申告・納税│10か月以内

    相続税の申告と納税は、10か月以内にする必要があります。もし10か月を超えてしまうと、延滞税、申告しないと無申告加算税が発生します。また、悪質な脱税とみなされると、重加算税が発生する場合もあります。相続税については、財産の調査や申告書の作成など多くのことをしなければなりません。そのため、10か月あったとしても早い段階で着手するほうが良いでしょう。

  4. (4)遺留分侵害額請求│1年以内

    1章で解説したように遺留分侵害額請求も相続が開始されたこと及び遺留分侵害があったことを知ってから1年以内にしなければなりません。請求自体は、口頭で行うことも可能ですが一般的に意思表示をしたことを証明するため、内容証明郵便で通知すると証拠が残るためおすすめです。

  5. (5)葬儀代・埋葬料の受給手続き│2年以内

    健康保険に加入していると葬儀代、埋葬代が支給されます。しかし、自動的に支給されるわけではなく、自治体や会社に問い合わせて、手続きを進める必要があります。支給されること自体に気付けない内容ですが、受給できないか一度確認してみましょう。

  6. (6)死亡保険金の受け取り│3年以内

    死亡保険金の受け取りは、支払事由が発生した3年以内に請求するようにしましょう。支払事由とは、被保険者が亡くなったことを指します。死亡保険金は高額である場合も多く、一家の大黒柱が亡くなった場合には当面の生活費になります。なお、3年を超えると契約が消滅となるケースが少なくありませんが、契約によっては対応してもらえるケースもあるため、念のため問い合わせてみましょう。

  7. (7)相続登記│3年以内

    2024年4月から相続登記が義務化されます。そのため、不動産を相続した場合には可能な限り早く登記することをおすすめします。3年以内に登記をしなければ、10万円以下の過料が発生する上、登記を放置していると権利関係が複雑になるなど、トラブルの原因になります。

3、期限がないものは手続きしなくても問題ないのか?

相続の際に期限がない手続きもあります。しかし、これらの手続きもいつまでも放置していると相続手続きが進まないなどトラブルの原因になります。

  1. (1)遺言書の検認

    遺言書が発見された場合には、検認という手続きが必要です。検認は、相続人に遺言の存在や内容を知らせたり、遺言書の内容を判断したり、偽造や変造を防止する目的で行われます。家庭裁判所で行う必要があり、期間制限はありませんが手続きを開始してから1か月程度かかります。そのため、いつまでも遺言書の検認をしないと不動産の相続登記や預貯金の払い戻しをすることができません。

  2. (2)遺産分割協議

    遺産分割協議も期間の制限がありません。しかし、複数の相続人がいて、いつまでも遺産分割協議をしないと誰も財産を相続できず、売却や処分をすることができません。また、相続税の各種控除も利用できないため、相続税の控除ができず高額な納税になるおそれがあります。

  3. (3)預金口座の名義変更

    銀行口座の名義変更も期間制限はありません。しかし、1章で前述したように10年間放置すると休眠口座となる、5年間放置すると払い戻しを受けられなくなるなどのリスクがあります。

4、遺産相続手続きを弁護士に依頼するメリット

遺産相続の手続きは、期間の制限があるものが多く存在します。また、手続きの内容や書類の作成も複雑です。

弁護士に依頼すれば、財産調査から書類の作成までワンストップで手続きを進められるメリットがあります。また、財産状況に合わせて、相続放棄すべきか限定承認すべきなど的確なアドバイスも得られるでしょう。財産調査をせず相続してしまうと、思わぬ借金も相続しかねません。弁護士は財産の状況鑑みて適切な法的手続きをサポートします。

遺産相続の手続きに悩んだら、まずは実績ある弁護士に相談することをおすすめします。

5、まとめ

遺産相続の手続きをいつまでも放置してしまうと、権利を失ってしまうだけでなく、延滞税や無申告加算税が発生してしまうことがあります。また、相続登記が義務になったことから登記をしなければ10万円のペナルティーが課せられるリスクもあります。

遺産相続の手続きや登記をどうしたらいいのかわからないという方は、まずはベリーベスト法律事務所 大分オフィスにご相談ください。遺産相続の実績がある弁護士があなたの事情をお伺いし、ベストな解決策を一緒に考えさせていただきます。お悩みのある方、疑問がある方はぜひ当事務所にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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